湯川五社神社
神楽
五穀豊穣、無病息災の『大黒舞』
湯川五社神社で毎年奉奏されている神楽は、古い伝統をもつ。江戸時代から拝殿内に神楽場として畳六枚を敷いた定形化した場所があり、神楽はその場所で舞われる。
豊作祈願・悪霊退散・悪魔祓い・地久楽舞(大地がいつまでもかわらないこと)・無病息災・家内安全など、人々の多様な信仰から、その趣旨、目的により、式次第や神楽舞の番組をおのおの構成し、面などの用具、装飾、式次第も複雑である。かつて13曲が舞われていたが、伶人(れいじん。担い手)不足で今は10曲を残すだけとなった。
五社神社の祭礼で奉納される神楽は、神社知野家を中心に伶人によって、基本的に代々維持、継承されてきた。笛と太鼓が奏する楽で舞われる素朴な神楽が、時代とともに失われていくなかで、湯川に残る神楽は、田上の貴重な無形文化遺産ではなかろうか。
(田上町史別編文化財『田上の文化財』より)
榊の舞
地割の舞(地久楽)
羽返すの舞
悪魔祓い
四方形の舞
四方形の舞
二つの太刀で大きく円を描いたり、交差させたりして四方の悪霊を祓い清め国家安泰を祈念する。
恵比寿舞
愛嬌を振りまきながら登場し、竿を持って四方を祓い清めた後、竿に巻いていた糸を解き餌を付け、獲物が釣れるのを待つ。
恵比寿舞
何度か失敗のあと獲物を釣り上げ、最後に鯛を釣り上げる。その大きさを誇張することによって、自画自賛し人間にある見栄をユーモラスに表現する舞。
恵比寿舞
五穀豊穣、悪病退散を祈願する採物神楽
お菓子まき
子どもに大人気
大黒舞
『大黒舞』
四方を祓い清めた後、神に祈りを捧げ打出の小槌を振ることにより災難から逃れ、幸福が授かるよう祈願する。
最後に神に願いが通じたことを神からの恵み(神前に供えた餅・菓子等を撒くことで表現)をユーモラスを交えながら与える。
その菓子を拾って食べることにより御利益を得、無病息災を願う。